肺性心とは?肺疾患が心臓を蝕むメカニズムと初期症状・最新治療法
肺性心とは?肺疾患が心臓を蝕むメカニズムと初期症状・最新治療法について見逃せない ポイントを分かりやすく解説いたします。
Q1:肺性心と一般的な心不全(左心不全)は何が違うのですか?
A1:起点となる臓器と、障害を受ける心臓の部位が根本的に異なります。一般的な心不全の多くは「左心不全」であり、高血圧や虚血性心疾患(心筋梗塞など)によって左心室が傷み、全身へ血液を送り出せなくなって肺に水が溜まります(肺水腫)。これに対し「肺性心」は、まず肺そのものに病気があり、その結果として肺動脈圧が上昇し、血液を肺へ送り出す「右心室」が弱り果てる病態です。左心不全の初期には肺の鬱血が起きますが、肺性心の初期〜進行期には全身の静脈鬱血(足のむくみ、肝腫大など)が前面に出ます。
Q2:タバコを吸っていなくても肺性心になる可能性はありますか?
A2:十分にあります。肺性心の最大要因は喫煙に関連するCOPDですが、喫煙歴のない方でも、間質性肺炎、肺結核の後遺症、重症の気管支拡張症、あるいは睡眠時無呼吸症候群(SAS)による慢性的な夜間低酸素血症などが原因で肺動脈圧が上昇し、肺性心を発症することがあります。また、下肢の静脈血栓が肺に詰まる肺塞栓症は、タバコを吸わない方にも突然生じる急性肺性心の代表格です。
Q3:在宅酸素(HOT)を始めると、もう二度と外せなくなりますか?
A3:慢性肺性心をもたらす構造的な肺疾患(COPDや肺線維症など)は不可逆的であることが多いため、HOTは生涯にわたって継続されるケースが一般的です。しかし、これは「酸素に身体が依存して手放せなくなる(癖になる)」からではありません。破壊された肺組織のガス交換能を補い、心臓(右心室)を過度な高圧負荷から守り続けて寿命を延ばすための「不可欠な防護壁」だからです。適切な酸素吸入を続けることで、心不全の悪化を防ぎ、自宅で自立した生活を長く続けることが可能になります。