魚へんに喜ぶ漢字「鱚」の読み方は?なぜ喜ぶのか語源と旬の真相

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インターネット上の解説記事において散見されるのが、「鱚という漢字は日本で作られた和製漢字(国字)である」という断定的な言説だ。しかし、この言説には重大な誤解が含まれている。

中国の古い字書である『玉篇』や『集韻』などを紐解くと、「鱚」という字そのものは古代中国の文献にもすでに収録されている。ただし、当時の中国における「鱚」は、現代日本のシロギスを指していたわけではない。中国大陸の内陸河川に生息する別の小魚や淡水魚を指す文字であったとされる。

日本に漢字文化が流入した際、平安時代の辞書『和名類聚抄』などに見られるように、我が国の学者たちは日本の固有種である「生直(キス)」に当てはめるべき適切な漢字を探し求めた。その際、中国本来の魚種とは異なることを承知の上で、音と意味の美しさが合致する「鱚」の字を借り受け、定着させた経緯がある。厳密には「完全な和製漢字(国字)」ではなく、「既存の漢字に日本固有の魚種を同定して意味を上書きした国訓(こっくん)」に分類するのが、文字論としての正確な事実である。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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