トロリーバスとは?バスなのに鉄道扱いの理由と日本全滅の真相
トロリーバスとは?バスなのに鉄道扱いの理由と日本全滅の真相について押さえておきたい ポイントを厳選して解説いたします。
日本国内で全滅した事実から、「トロリーバスは世界的に滅び去った過去の遺物」と誤解されがちですが、世界を見渡すと全く異なる現実が存在します。
スイス、オーストリア、チェコなどの環境先進国や、ロシア、中国、中南米の各都市では、2026年現在も数多くのトロリーバスが市民の主力交通として元気に走り続けています。最新の海外車両は「イン・モーション・チャージング(IMC)」と呼ばれるハイブリッド技術を採用しており、架線のある区間を走行中に小型バッテリーへ急速充電し、架線のない郊外区間はバッテリーで走行するという柔軟な運用を行っています。
では、なぜ日本においてこのハイブリッド型トロリーバスの導入や、路線の復活が議論すらされないのでしょうか。ネット上では「脱炭素社会なのだから都市部で復活させてもいいのではないか」という意見が散見されますが、交通インフラの構造的現実から見て日本での復活可能性は限りなくゼロです。
第一の壁は、先述した「鉄道事業法」による過剰な法規制です。架線を道路上に張るだけで、運輸局への膨大な認可申請、軌道構造基準への合致、鉄道専用の信号保安体制、さらには運転士への無軌条電車運転免許の取得義務が課されます。自治体やバス事業者にとって、通常の道路運送法で認可が下りる市販のEVバスを購入するほうが、初期投資も管理コストも桁違いに安く済みます。
第二の壁は、日本特有の自然災害リスクです。台風や地震が頻発する日本において、地上架線は倒木や電柱倒壊による寸断リスクを常に抱えています。災害時における緊急輸送路の確保という防災の観点からも、道路さえ生きていれば自走できるバッテリーEVバスのほうが圧倒的に強靭であると評価されているのです。