憲法改正の手続きはなぜ進まない?発議条件と国民投票の最新壁を追う
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国民投票に関して、多くの有権者が「国民の過半数が賛成しなければ憲法は変わらない」と誤解しています。ここに、制度上の極めて危険な盲点が隠されています。
現行の国民投票法において、承認の基準となるのは「有権者総数の過半数」ではなく、「有効投票総数の過半数」です。さらに決定的なのは、「最低投票率の規定が存在しない」という事実です。
仮に国政選挙並みに投票率が低迷し、投票率が40%にとどまったとします。その有効投票のうち過半数(つまり全体の約20%強)が賛成票を投じるだけで、国の最高法規が不可逆的に書き換えられてしまうのです。有権者の8割が積極的に賛成していなくとも、投票に行かない層の沈黙によって改憲が成立してしまう仕組みになっています。
また、巨額の広告費を投じた世論誘導への防波堤も脆弱です。現在の法律では、投票期日の14日前からテレビやラジオでの意見広告が禁止されるのみで、それ以前の期間や、現代の主戦場であるインターネット広告、SNSのインフルエンサーを用いたステルスマーケティングには実質的な規制網が敷かれていません。デジタル時代の情報空間において、主権者が冷静に判断を下せる環境が整っているとは言い難いのが偽らざる現状です。