身内が亡くなったらしてはいけないこと!預金引き出しの罠と相続の鉄則
身内が亡くなったらしてはいけないこと!預金引き出しの罠と相続の鉄則に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
インターネット上の掲示板やSNSでは、「少額の引き出しなら税務署にもバレない」「光熱費は故人の口座のまま自動引き落としにしておけば安心」といった誤った俗説が散見されますが、これらは現場の実務において完全に否定されています。
国税庁のシステム(KSK:国税総合管理システム)は、金融機関の出入金履歴を過去10年規模で完全に把握しています。名義人が死亡する直前や直後にまとまった数十万円〜数百万円の現金出金が行われている場合、税務調査における格好の追及材料となります。「葬儀代に使った」と主張しても、領収書の宛名や出納明細と引き出し日時の整合性が取れなければ、相続税の申告漏れとして重加算税の対象となります。
また、自宅の電気・ガス・水道などのインフラを「解約すると困るから」と名義変更せずに放置し、故人の口座から引き落としを継続させようとする行為も極めて危険です。銀行口座が正式に凍結された時点で引き落とし不能となり、予告なしにライフラインが遮断されるリスクがあります。名義変更や引き落とし口座の変更は、死後速やかに遺族代表者の名義へと切り替えるのが正しい手順です。
さらに見落としがちな重大な盲点が「自筆証書遺言の開封」です。実家の金庫やタンスから亡き親の手書き遺言書を見つけた際、その場で封を開けて中身を確認してはなりません。家庭裁判所における「検認」の手続きを経ずに開封した場合、民法1005条違反として5万円以下の過料に処されるだけでなく、他の相続人から改ざん・変造の疑いをかけられ、遺言自体が無効であると争われる致命的な泥沼に直面します。