2006年流行語大賞を総覧!イナバウアーから20年後の現在まで
2006年流行語大賞を総覧!イナバウアーから20年後の現在までにまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
当時の大流行の裏には、現在まで続くいくつかの誤認や、当事者しか知り得ない過酷なプレッシャーが存在していました。
「イナバウアー=背中を反らす技」という誤解の真相
一般的には「背中を大きく反らせるポーズ」そのものをイナバウアーと呼ぶと誤認されがちですが、本来のフィギュアスケート用語としてのイナバウアーは、「両足の爪先を180度開いて真横に滑走する足のポジション」を指します。上体を反らす動作は荒川静香選手の代名詞である「レイバック」であり、正しくは「レイバック・イナバウアー」です。荒川選手の柔軟性と表現力があまりに傑出していたため、上半身の反りそのものが単語の意味として日本社会に定着したという、言語受容の興味深い実例です。
「青いハンカチ」過熱報道と斎藤佑樹氏が背負った重圧
当時、早稲田実業の学校周辺や遠征先には連日数百人のファンとメディアが押し寄せ、斎藤氏の一挙手一投足が監視される異常事態となりました。後年のドキュメンタリーや自著で語られたところによると、本人は「ハンカチ王子」という愛称の先行に対し、高校生投手としての実力以上にアイドル視される葛藤を抱えていました。実名と乖離した巨大な記号を背負いながら、大学球界、プロ野球、そして引退後のビジネスへと歩みを進めた軌跡は、アスリートのアイデンティティ形成における貴重なケーススタディといえます。