戦後わずか数十人の満行者!比叡山延暦寺「千日回峰行」の真実
戦後わずか数十人の満行者!比叡山延暦寺「千日回峰行」の真実の概要と注目ポイントを徹底的にカバーしました。
千日回峰行の中で最も凄惨を極め、最大の難関とされるのが、5年目の700日を終えた段階で挑む「堂入り」と呼ばれる秘儀である。無動寺谷の弁天堂に籠もり、9日間にわたって一切の食事、水、睡眠、横になること(横臥)を断ち切る。
堂入りに入った行者は、不動明王と一体となるべく、9日間で約10万回もの真言を唱え続ける。昼夜を問わず蝋燭の火を絶やさず、ひたすら念仏を唱え続ける過酷さは想像を絶する。医学的観点からも、人間が水分を一切摂らずに生存できる限界とされる日数を超越する挑戦である。
5日目を過ぎる頃には皮膚から死臭に似た匂いが漂い始め、視覚や嗅覚などの五感が異常なまでに研ぎ澄まされるという。6日目からは毎晩、境内の閼伽井(あかい)へ水を汲みに行く「取水」が許可されるが、汲んできた水を発泡させることすら許されず、一口口に含んで口をすすいだ後はすべて器に吐き戻さねばならない。9日間を耐え抜き、堂から出てくる阿闍梨の姿は、まさに生死の境を潜り抜けた尊厳に満ちている。