内館牧子の本おすすめ10選!朝ドラ原案からシニア文学の傑作まで

内館牧子の本おすすめ10選!朝ドラ原案からシニア文学の傑作までにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

「高齢化社会シリーズ」のなかでも、特に女性読者の熱狂的な共感を集めたのが小説『すぐ死ぬんだから』だ。78歳になっても身だしなみに妥協せず、周囲の「手抜きをした老人たち」を心の中で見下しながら生きる主人公・ハナの姿は、強烈なインパクトを残した。

タイトルにある「すぐ死ぬんだから」というフレーズは、老いへの開き直りでも諦めでもない。むしろ「どうせ死ぬなら、最後まで綺麗でいたい、自分らしくありたい」という強烈な自我の裏返しだ。しかし物語は、夫の死によって長年隠されていた衝撃の秘密が発覚することで暗転する。外面を取り繕うことの虚しさと、それでも捨てられない人間の業(ごう)。NHKでのドラマ化でも絶賛された本作は、シニア層の「見栄」と「プライド」を徹底的に剥ぎ取ることで、逆説的に生きることの執念と愛嬌を浮かび上がらせることに成功している。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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