樹木希林の自宅キッチンに宿る美学|愛用品と間取りの真相に迫る
樹木希林の自宅キッチンに宿る美学|愛用品と間取りの真相に迫るを徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を凝縮して配信します。
樹木さんが選んだキッチンの主役は、継ぎ目のないシンプルな特注のオールステンレス製アイランドキッチンでした。木製キャビネットのような装飾性を排除し、業務用の厨房機器に近い無骨さと清潔感を併せ持つデザインが特徴です。
ステンレスを選んだ理由は極めて明快で、「手入れが最も楽で、耐久性があり、汚れを即座に拭き取れるから」という合理的な動機に基づいています。油跳ねや水垢を放置せず、使い終わった瞬間にさっと拭き上げる習慣が徹底されていたため、長年使われていたにもかかわらず、作業台は常に曇りひとつない状態に保たれていました。
引き出しや棚の中に収められていた食器類も、驚くほど少数精鋭でした。一般的な家庭が数十客から百点以上の食器を溜め込みがちなのに対し、樹木さんが日常使いしていたのは、家族や気心の知れた来客が過不足なく使える数組の器のみ。それらも高級な作家物ばかりで固めるのではなく、骨董市で見つけた味わいのある古伊万里や、知人から譲り受けた素朴な陶器、日常使いのグラスなど、自身の手になじむものだけが整然と並べられていました。