原産国Prcはなぜ中国と書かない?表記変更のからくりと真相を追う
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公式な国際コードであるにもかかわらず、なぜ一般的な「Made in CHINA」から「Made in PRC」へと印字を切り替える動きが生じたのでしょうか。取材を進めると、そこにはPRC表記の理由として、消費者の購買意欲を損なわないための心理的アプローチが浮き彫りになります。
最大の動機は、日本をはじめとする諸外国の市場において長年形成されてきた「メイド・イン・チャイナ=安かろう悪かろう」というステレオタイプを和らげる点にあります。社会心理学やマーケティングの分野では、商品の生産国が消費者の品質評価に決定的な影響を与える現象を「カントリー・オブ・オリジン効果(原産国効果)」と呼びます。同じ品質、同じ価格の製品であっても、「CHINA」と刻印されているだけで無意識に購入を見送る層が一定数存在します。
メイドインチャイナ表記変更の経緯を辿ると、この動きは2000年代後半から欧州向けのアパレル製品などで先行して見られ始めました。イタリアやフランスの有名ブランドがコスト削減のために中国工場へ生産委託(OEM)する際、高級感を損なわないための折衷案として「Made in P.R.C.」と印字したのが発端とされています。その後、2010年代以降には日本国内のアパレル、インテリア雑貨、小型家電、ECモールのプライベートブランド製品へと急速に波及しました。
メーカー側や輸入業者側の本音として、以下の意図が働いています。
1. パッと見の認知バイアスの回避:「PRC」と記載することで、中国製だと即座に直感させず、店頭での心理的抵抗感を薄れさせる。
2. ブランドイメージの毀損防止:高単価なセレクトショップの服やデザイナーズ家具において、無骨な「CHINA」の文字による安っぽさを排除する。
3. 虚偽表示の法的責任の回避:完全な嘘(Made in Japanなど)を書けば密輸や原産国偽装の罪に問われますが、PRCは国際規格上の正式略称であるため、嘘をついているわけではないという論理的防壁を築く。
このように、原産国表示PRCの真相とは、法的な虚偽表示に抵触しない安全圏を保ちつつ、消費者が抱く心理的アレルギーを回避しようとする、極めて計算された販売戦術なのです。