リニアはいつ開業する?2027年断念の真相と2034年以降の現実

リニアはいつ開業する?2027年断念の真相と2034年以降の現実とはどのようなものなのか? 詳しい意味を整理してお届けします。

巨大プロジェクトのスケジュールを根底から覆した主因が、南アルプスを貫通する「静岡工区」を巡る対立です。静岡県内を通過するリニアのルートは約10.7kmに過ぎず、静岡県内に駅は設置されません。この地理的条件のなかで浮上したのが、静岡県民60万人以上の命の水を支える大井川水問題でした。

南アルプスの断層帯は極めて破砕が進んでおり、トンネルを掘削することで山体内部の地下水が山梨県側や長野県側へ流出。その結果、大井川本流の流量が毎秒最大2トン減少するとの試算が公表されたことで、下流域の利水者や茶農家、自治体から猛反発が巻き起こりました。当時の川勝平太静岡県知事は「一滴の水も県外に流出させない」との強硬姿勢を貫き、JR東海との協議は泥沼の膠着状態に陥りました。

事態が動き出したのは、東京電力リニューアブル・パワー田代ダムの取水抑制案(田代ダム案)の具体化と、2024年の静岡県知事選を経て鈴木康友新知事が就任したことでした。田代ダム案とは、トンネル工事によって県外へ流出する水と同等の量を、発電用ダムの取水を抑えることで大井川に戻すというウルトラCの解決策です。しかし、県境付近の地質調査を目的としたボーリング調査の範囲や、生態系への影響評価、掘削に伴う発生土(残土)約370万立方メートルを南アルプスの険しいツバクロ沢に仮置きする安全基準をめぐり、現在も専門家による綿密な確認作業が続けられています。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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