届かぬ想いが集う粟島の奇跡|漂流郵便局の真相と手紙の送り方
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香川県三豊市に属する粟島は、かつて北前船の寄港地として栄え、日本初の海員養成学校が開かれた歴史ある島です。この島のほぼ中央に位置する築60年超の木造旧郵便局舎を舞台に、現代美術作家の久保田沙耶氏が立ち上げたプロジェクト、それが「漂流郵便局」です。
誕生の契機となったのは、2013年開催の第2回瀬戸内国際芸術祭でした。当時、久保田氏が島を歩く中で出会った旧郵便局の佇まいと、漂流物が流れ着く島の記憶が重なり合い、「いつかのどこかのだれか宛の手紙が、いつかここにやってくるあなたに流れ着く」というコンセプトの空間が構想されました。
当初は芸術祭期間中の一時的な展示として企画されていたものの、全国から予想を遥かに超える切実な手紙が殺到。会期終了後も手紙が途絶えることはなく、プロジェクトの恒久的な継続が決定しました。漂流郵便局の現在の状況として、集まった手紙は7万通以上に達しており、日本国内にとどまらず海外からも多言語で想いが寄せられ続けています。時を経ても色あせることなく、現代社会における独自のセーフティネットのような役割を果たしています。