老化細胞除去薬の実用化はいつ?効果と副作用、東大研究の全貌

老化細胞除去薬の実用化はいつ?効果と副作用、東大研究の全貌について徹底解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

老化細胞除去研究の歴史において、日本の東京大学医科学研究所(癌・細胞増殖統御分野)の中西真教授らの研究グループが科学誌『Science』等に発表した一連の成果は、世界に決定的な衝撃を与えました。

それまでのセノリティクス薬(ダサチニブやケルセチンなど)は、細胞の生存シグナル伝達経路を標的にする手法が主流でした。しかし、特異性(老化細胞だけを選別する精度)に課題があり、正常細胞への毒性が無視できないという壁に直面していたのです。中西教授らは全く異なるアプローチとして、「老化細胞が生き延びるための特異的な代謝経路」に着目しました。

研究グループは、老化細胞内ではリソソーム膜の透過性亢進によって細胞内pHが酸性に傾いており、これに対抗して細胞死を免れるために「グルタミナーゼ1(GLS1)」という酵素を異常活性化させてアンモニアを産生し、中和している事実を突き止めました。つまり、GLS1は老化細胞にとって生命維持の「命綱」だったのです。

このGLS1の働きを特異的にブロックする「GLS1阻害剤」を老齢マウスに投与したところ、正常な細胞を傷つけることなく、加齢によって蓄積した老化細胞のみを効率的に脱落させることに成功しました。結果として、脂肪肝の改善、動脈硬化の退縮、耐糖能の改善、さらには運動機能の劇的な向上が確認されたのです。代謝経路という極めて選択性の高い弱点を突いたこの発見は、日本発の創薬ターゲットとしてグローバルメガファーマから熱烈な視線を浴び続けています。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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