高齢者は何歳から?65歳定説の崩壊と2026年に激変する境界線

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世間一般で広く浸透している「高齢者=65歳以上」という基準は、そもそもどこから生まれたのか。その源流を辿ると、WHO(世界保健機関)の高齢者基準に行き着きます。WHOは加盟各国の人口動態を比較・統計処理する便宜上の指標として「65歳以上」を一律で高齢者(Older persons)と定義してきました。かつて19世紀後半にドイツの宰相ビスマルクが世界初の公的年金制度を創設した際、支給年齢を最終的に65歳へ設定した名残りも影響しています。

日本の法体系を見渡すと、実は「高齢者」を単一の年齢で縛る包括的な法律は存在しません。行政施策の基盤となる老人福祉法における高齢者の概念は原則として「65歳以上」を想定して各種福祉事業を展開していますが、個別の法律によってその射程は大きく揺れ動きます。

例えば、高年齢者雇用安定法では「高年齢者」を55歳以上と定めつつ、企業の雇用確保義務は65歳まで、さらに努力義務として定年延長や70歳就労法の枠組みを課しています。つまり、労働政策における現役世代の枠は実質70歳まで引き伸ばされているのに対し、福祉の現場では65歳を便宜上の入り口として扱い続けているのが実態です。この制度間の非線形なズレが、当事者に「何歳から自分は高齢者なのか」という根深い戸惑いを生み出す原因となっています。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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