乳脂肪は体に悪い?最新研究が明かす真実とコレステロールの嘘
乳脂肪は体に悪い?最新研究が明かす真実とコレステロールの嘘について見逃せない ポイントを分かりやすく解説いたします。
かつて欧米を中心に提唱された「飽和脂肪酸悪玉論」が、日本でも広く浸透したことが乳脂肪バッシングの発端です。飽和脂肪酸を多く含むバターや全脂牛乳を過剰に摂取すると、血中の悪玉(LDL)コレステロールが上昇し、心疾患リスクを高めると長年信じられてきました。
しかし、近年の大規模疫学研究によって、乳製品に含まれる脂肪酸の働きは肉類の脂身とは大きく異なることが次々と明らかになっています。乳脂肪には炭素数の短い「短鎖脂肪酸」や「中鎖脂肪酸」が豊富に含まれており、これらは肝臓で速やかにエネルギーへと変換されるため、体内に脂肪として蓄積されにくい特性を持ちます。2020年代半ばに発表された複数のメタアナリシスでも、全脂乳製品を日常的に摂取するグループにおいて、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクがむしろ低下する傾向が確認されています。
単一の栄養素だけを切り取って「体に悪い」と決めつけるのではなく、食品全体の構造(フードマトリックス)として乳製品を捉え直す視点が、現在の医学界における主流となっています。