貴乃花の全盛期はどれほど強かったのか?鬼の形相と最強伝説の真実

貴乃花の全盛期はどれほど強かったのか?鬼の形相と最強伝説の真実について知っておくべき 理由を分かりやすく解説いたします。

貴乃花の相撲人生において、最もドラマティックであり、同時に力士生命の致命的な転換点となったのが、2001(平成13)年5月場所の出来事です。

14日目の武蔵丸戦、立ち合いから激しくぶつかり合った瞬間、土俵際で貴乃花の巨体が不自然に崩れ落ちました。苦悶の表情を浮かべて土俵下に転がり落ちたその瞬間、貴乃花の膝の怪我は単なる打撲や捻挫ではなく、右膝半月板損傷および後十字靭帯断裂という、歩行すら困難な壊滅的損傷でした。

誰もが翌日の千秋楽の休場を確信していました。当時の関係者の証言によると、控室では自力で立ち上がることすらできず、医師からも相撲を取れる状態ではないと強く警告されていました。しかし、1敗で追う武蔵丸に本割で敗れたものの、優勝決定戦への出場を強行します。

そして迎えた優勝決定戦。テーピングを幾重にも巻き、痛みをこらえて土俵に上がった貴乃花は、右膝の激痛に耐えながら武蔵丸を豪快な上手投げで裏返し、奇跡の逆転優勝を果たしました。勝利が決まった瞬間、土俵上で見せたあの凄まじい「貴乃花 武蔵丸 鬼の形相」は、全国の中継映像を通じて列島に強烈な衝撃を与えました。

表彰式では、当時の小泉純一郎首相が「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!」と絶叫し、流行語大賞に選ばれるほどの社会現象となりました。しかし、その感動の代償はあまりにも重いものでした。

無理を押して土俵に立ったことで右膝は取り返しのつかない損傷を負い、その後の現役生活で7場所連続全休を余儀なくされます。完全復活を期して土俵に戻ったものの、かつての躍動感あふれる下半身の粘りは失われ、2003年1月場所をもって30歳の若さで現役引退を表明することになりました。「鬼の形相」は、彼の不屈の魂の結晶であると同時に、希代の大横綱の現役生活を実質的に終わらせた悲壮な幕引きでもあったのです。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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