武蔵小杉の超高層マンションは買いか?水害対策後の資産価値と本音
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武蔵小杉を語るうえで、2019年秋の台風19号による内水氾濫を避けて通ることはできない。多摩川の水位上昇に伴い雨水が逆流し、駅周辺の広範囲が冠水。地下の受変電設備が水没したことで停電や断水が長期化し、垂直移動をエレベーターに依存するタワー生活の脆弱性が白日の下に晒された。
川崎市はこの苦い教訓を契機に、治水インフラの総点検を急ピッチで進めた。福田紀彦市長の指揮下で進められた下水道幹線へのフラップゲート設置や、排水樋管周辺の強制排水ポンプ増設、さらには大容量の雨水貯留管整備は、短時間豪雨への耐性を大きく引き上げている。各物件の管理組合も手をこまねいていたわけではない。地下配電盤の地上移設や防水扉の二重化、非常用発電機の嵩上げ工事など、数千万円から億円単位の自衛策を講じる動きが相次いだ。
行政と民間が投じた巨額の対策費は、名ばかりの都市再開発ではなく、災害に対する強靭性を備えた「生存可能な街」への再定義を迫るプロセスだった。現在の武蔵小杉は、首都圏で最も綿密な浸水対策マニュアルとハードウェアを備えたエリアの一つへと変貌を遂げている。