朝ドラ最高傑作『カーネーション』色褪せない泥臭さと熱狂の全貌
朝ドラ最高傑作『カーネーション』色褪せない泥臭さと熱狂の全貌の重要ポイントをご紹介します。最新トレンドがチェックできます。
朝の帯ドラマが長年培ってきた「お約束」を、本作は序盤から小気味よいほどに解体していった。主人公・小原糸子は、単に逆境に耐え忍ぶ聖女ではない。欲しいものは力ずくで奪い取り、理不尽には拳と怒声で抗う。だんじり祭りに命を燃やし、男たちに混ざって大工方を夢見た少女が、洋裁という未知の光に出会った瞬間の衝動。その泥臭いまでの生命力こそが作品の背骨となった。
美談に仕立て上げない。不都合な人間の業から目を逸らさない。戦争という巨大な不条理に直面しても、糸子はただ涙に暮れるのではなく、軍服を縫い、もんぺを仕立て、生き抜くために商売の算段を立てる。生活者の生々しい逞しさが、予定調和を嫌う視聴者の心を鷲掴みにした。