なぜピサの斜塔は倒れない?最新の傾斜角度と地盤沈下の真相に迫る
なぜピサの斜塔は倒れない?最新の傾斜角度と地盤沈下の真相に迫るに関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
ピサの斜塔といえば、物理学者ガリレオ・ガリレイが最上階から質量の異なる2つの鉛の玉を同時に落とし、「物体の落下速度は重量に依存しない」ことを証明したという伝説が広く語り継がれています。小学校の理科の教科書でも紹介されてきた有名なエピソードですが、科学史の世界では「後世に作られた創作・フィクション」である可能性が極めて高いと結論づけられています。
ガリレオ自身の膨大な手稿や著作『新科学対話』には、ピサの斜塔で実験を行ったという記録は一切存在しません。このエピソードが世に出たのは、ガリレオの死後、弟子のヴィンチェンツォ・ヴィヴィアーニが1654年に執筆した伝記『ガリレオ・ガリレイの生涯』が初出です。ヴィヴィアーニは師の偉大さを際立たせるためのドラマチックな演出としてこの逸話を盛り込んだと見られています。
実際、落下の実験自体はガリレオ以前にオランダの数学者シモン・ステヴィンが1586年にデルフトの大聖堂で行っており、ガリレオ自身が転がる球の実験を通じて落下の法則を実証したのはパドヴァ大学時代の斜面実験です。ただし、ガリレオが生まれ育ったピサの町で、古代アリストテレス物理学の矛盾を追及していたのは歴史的事実であり、斜塔の存在が若きガリレオの思考を刺激したこと自体は否定できません。