鼻水が黄緑なのは治りかけ?副鼻腔炎のサインと受診すべき判断基準
鼻水が黄緑なのは治りかけ?副鼻腔炎のサインと受診すべき判断基準とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
小児科や耳鼻咽喉科の外来において、最も親を悩ませるのが「子供の黄緑色の鼻水」です。保育園や幼稚園に通い始めた幼児期の子どもは、集団生活の中で次々と異なるウイルスや細菌に曝露されるため、数ヶ月にわたって鼻水を垂らし続けるケースも珍しくありません。
しかし、子どもの鼻炎を「いつものこと」と軽視してはならない明確な解剖学的理由があります。それが「急性中耳炎」の併発です。
子どもの耳管(鼻の奥と中耳をつなぐ管)は、大人に比べて太く、短く、水平に近い角度で走行しています。そのため、鼻をすする癖があったり、黄緑色の粘っこい鼻水が鼻腔の奥に停滞していたりすると、細菌を含んだ鼻水が容易に中耳へと逆流します。日本小児耳鼻咽喉科学会の報告でも、急性副鼻腔炎を患う乳幼児の約30〜50%に中耳炎の合併が認められています。
さらに、見落としてはならないのが「鼻腔内異物」の可能性です。医療機関の事故事例集には、幼児が小さなおもちゃの部品、BB弾、ビーズ、ボタン電池、あるいは丸めた紙くずを自分で鼻の穴に入れてしまい、親が気づかないまま数日が経過する事例が毎年報告されています。「片方の鼻の穴からだけ、強烈な悪臭を放つ黄緑色の鼻水が出ている」という場合、異物による粘膜の壊死や高度な感染が起きている危険性があり、一刻を争う処置が求められます。