有馬最古の宿「陶泉御所坊」の真相|半混浴と文豪が愛した評判を徹底解剖

有馬最古の宿「陶泉御所坊」の真相|半混浴と文豪が愛した評判を徹底解剖の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

陶泉御所坊の歴史は、鎌倉時代初期の建久2年、僧侶の仁西上人が有馬温泉を再興した際に建てられた十二坊の一つ「湯口坊」にまで遡ります。のちに室町幕府の三代将軍・足利義満が宿泊した栄誉から「御所」の館号を賜り、豊臣秀吉の有馬湯山御殿の造営に際して現在の滝川沿いへと移転しました。宿の看板や調度品、浴衣やアメニティに至るまで漢詩の物語が散りばめられており、敷居を跨いだ瞬間から数百年のタイムトリップが始まります。

この宿を語る上で欠かせないのが、文豪・谷崎潤一郎との深き縁です。谷崎は名作『細雪』の作中において御所坊を実名で登場させただけでなく、執筆のための逗留先としても度々利用しました。陰翳を重んじる谷崎の美学は、現在の館内の光と影の演出にも色濃く息づいています。吉川英治や伊藤博文といった歴史に名を残す偉人たちもこの宿の湯に浸かり、激動の時代に思索を巡らせました。

現在の建物は、昭和初期の木造建築の粋を集めた数寄屋造りです。綿密に組まれた格子窓、年月を経て黒光りする廊下や階段の手すりなど、建材の一つひとつに手仕事の温もりと風格が宿っています。均質化された近代ホテルでは決して再現できない重厚な空気感こそが、御所坊のアイデンティティとなっています。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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