花火師の年収と過酷な給料事情|冬の仕事や危険手当の実情を徹底解明
花火師の年収と過酷な給料事情|冬の仕事や危険手当の実情を徹底解明を詳しくリサーチ! 知っておきたい トピックの裏側を分かりやすく展開します。
数万人から数十万人を集める巨大な花火大会には、数千万円から1億円を超える巨額の開催予算が投じられます。それにもかかわらず、なぜ末端の職人たちに還元される給与水準は抑えられたままなのでしょうか。その理由は、花火大会の予算配分と花火大会の打ち上げ単価の構造にあります。
夜空に打ち上がる花火の製造原価・打ち上げ単価の目安は以下の通りです。
- 3号玉(直径約9cm・上空120mで開花):約4,000円〜6,000円
- 5号玉(直径約15cm・上空190mで開花):約1万円〜1万5,000円
- 10号玉(尺玉・直径約30cm・上空330mで開花):約6万円〜10万円
- スターマイン(連続発射演出):数十万円〜数百万円
一見すると高額に見える単価ですが、花火大会全体の総予算のうち、実際に花火の製造と打ち上げを行う煙火店に支払われる金額は、全体の3割〜4割程度に過ぎないケースが珍しくありません。残りの大半は、観客の安全を守るための警備費用、仮設トイレや柵の設置費、シャトルバス運行費、会場の清掃・ゴミ処理費、保険料といった運営管理費に消えていきます。
さらに、煙火店側が受け取る売上の中からも、近年の原材料費(金属粉や酸化剤)の高騰、火薬を運ぶ専用車両の燃料費、法規制に基づいた厳重な火薬庫の維持管理費、高度な点火コンピューターの減価償却費などを差し引かなければなりません。加えて、日本の煙火店は約150〜200社程度存在しますが、その多くは地方の中小規模な同族経営企業です。資本力に乏しく、天候不順による大会中止のリスクも常に抱えているため、固定費である従業員の基本給を急激に引き上げることが構造的に難しいのです。