ミュージカルとオペラの違いとは?マイク有無や発声法の真相を徹底比較
ミュージカルとオペラの違いとは?マイク有無や発声法の真相を徹底比較について知っておくべき 理由を厳選して解説いたします。
舞台鑑賞の初心者が最も頻繁に混乱するトピックが、劇団四季オペラ座の怪人の分類です。「タイトルにオペラと付いているし、舞台もパリ・オペラ座。歌唱も高音のソプラノが響くから、あれはオペラではないのか」という疑問はネットの知恵袋やSNSでも後を絶ちません。
明確な事実として、アンドリュー・ロイド=ウェバー作曲の『オペラ座の怪人』(The Phantom of the Opera)は100%ミュージカルです。劇団四季が上演している同作も、ブロードウェイやロンドンのウエストエンドで上演されているオリジナル版も、すべてミュージカル作品として分類されます。
なぜ題材がオペラ座でありながらミュージカルなのか。理由は以下の3点に集約されます。
- 音響と歌唱の設計:ファントム役もクリスティーヌ役も全員がボディマイクを装着し、音響PAを通じて歌唱している。クリスティーヌの高音(ハイE)も、純粋なクラシック声楽ではなくマイク収音を前提とした現代的なミュージカル発声で歌われる。
- 音楽構造のハイブリッド性:劇中劇として「オペラ風の場面」が幾度もパロディ的に挿入されるものの、作品のメインテーマ曲には80年代シンセサイザーのロックビートやエレキベースが導入されている。
- 商業演劇としての設計:毎日同じ劇場で週に8回公演を行うロングラン興行のシステムを採用しており、オペラ座という場所を舞台にした「ミュージカル演劇」として脚本が執筆されている。
もう一つのよくある誤解が、「オペラには一切セリフがない」という思い込みです。実際には、モーツァルトの傑作『魔笛』やビゼーの『カルメン』のように、「ジングシュピール(歌芝居)」や「オペラ・コミック」と呼ばれる形式の作品にはドイツ語やフランス語の語りセリフ(台詞)が普通に登場します。しかし、それらの作品であっても歌手はマイクを使わず、オーケストラのフル編成を背負ってアリアを朗々と響かせるため、分類上は紛れもなくオペラなのです。