空が蒼く溶ける「青の時間」の正体|出現条件と失敗しない撮影術
空が蒼く溶ける「青の時間」の正体|出現条件と失敗しない撮影術を徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを分かりやすく展開します。
日中の青空と、日没後の濃密な青――実はこの2つは、青く見える物理的なメカニズムが異なります。
昼間の青空は、太陽光が大気中の窒素や酸素分子にぶつかり、波長の短い青い光が四方八方に散乱する「レイリー散乱」によって生じます。しかし、太陽が地平線下に完全に隠れた薄明の時間帯には、太陽光が地表に直接届きません。
ここで主役となるのが、高度約15〜35キロメートルの成層圏に位置するオゾン層です。超低角度から入射した太陽光がぶ厚い大気層を極めて長い距離斜めに通過する際、光に含まれる赤色や黄色の波長がオゾン層に強く吸収されます(この現象を「シャピュイ吸収」と呼びます)。
吸収を免れた純度の高い青色の光だけが地上に届き、散乱することで、日中よりも圧倒的に深く、絵の具を溶かしたようなロイヤルブルーの空が形成されるのです。大気と天体の位置関係が生み出す、精密な光のイリュージョンが青の時間の真実です。