マグロは寝るのか?泳ぎ続ける理由と夜間に脳を休ませる生態の真相
マグロは寝るのか?泳ぎ続ける理由と夜間に脳を休ませる生態の真相とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
この「夜間の自動巡航」という生態は、水族館の飼育現場において如実に観察することができます。世界でも屈指のクロマグロ群泳展示で知られる東京都葛西臨海水族園などの大型回遊水槽では、閉館後の消灯とともにマグロたちの様子が一変します。
開館中のマグロは、群れ全体で水槽の中層から上層を力強いストロークで周回していますが、夜間照明に切り替わると全体の泳ぎが明らかに緩慢になり、まるで脱力したかのようにゆらゆらと旋回し始めます。飼育員の記録や定点カメラ映像によると、ヒレを動かす回数が劇的に減少し、同一個体同士の距離感も昼間より広がることが分かっています。
現場の飼育担当者の証言や手記によると、水族館において最も神経を使うのがこの「夜間の照明管理」です。自然の海であれば、夜間は月明かり程度の薄明かりが広大な水深に差し込みますが、水槽という閉鎖空間で完全な漆黒にしてしまうと、睡眠状態でぼんやり泳いでいるマグロが水槽の透明アクリルガラスを認識できず、激突死してしまう大事故が多発します。過去の飼育現場でも、夜間の突発的な光や完全な暗闇によるパニックで激突死した事例が報告されています。そのため、水族館では夜間もマグロが障害物をぼんやりと感知できるよう、満月の光を模した絶妙な微弱照明を常時点灯させ、安全な睡眠環境を人工的に作り出しています。
また、知恵袋やSNSなどのネットコミュニティでは「マグロは網に引っかかったらすぐに死んでしまうのか?」という疑問が頻繁に見られますが、漁業関係者の証言によると、定置網などに迷い込んだマグロが網に絡まり、前進するスピードを完全に失った場合、わずか10〜15分程度で仮死状態に陥り窒息死に至ります。この現場の事実は、彼らがいかに「前進し続ける水流」に依存して命を繋いでいるかを雄弁に物語っています。