植物性生クリームは体に悪い?動物性との違いとトランス脂肪酸の真相
植物性生クリームは体に悪い?動物性との違いとトランス脂肪酸の真相とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。
ネットの掲示板やSNS上で「植物性生クリームは危険」「人工的な油だから口にしてはいけない」と激しく叩かれる背景には、主に2つの要因が存在します。1点目はトランス脂肪酸への恐怖、2点目は食品添加物に対する嫌悪感です。
かつて植物油を半固体化(硬化油化)する過程では、副産物として工業的なトランス脂肪酸が比較的高濃度に生成されていました。世界保健機関(WHO)はトランス脂肪酸の過剰摂取が冠動脈疾患のリスクを高めるとして、総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告を出しています。この情報が断片的に拡散された結果、「植物性ホイップ=トランス脂肪酸の塊」というネガティブなイメージが定着してしまいました。
しかし、製造現場の現実は過去10年で大きく塗り替えられています。内閣府食品安全委員会や農林水産省による実態調査、そして各乳業メーカーの企業努力により、部分水素添加油脂を使わない新しいエステル交換技術や分別技術が確立されました。現在流通している大手メーカーの植物性ホイップに含まれるトランス脂肪酸は、製品100gあたり0.5g〜1.0g未満にまで大幅低減されています。
皮肉なことに、天然の乳脂肪(動物性生クリームやバター)にも反芻動物由来の自然なトランス脂肪酸が100gあたり1g〜2g前後含まれています。つまり、現在の市販品レベルにおいて「植物性だけが桁違いにトランス脂肪酸を多く含んでいる」という言説は、客観的事実に照らし合わせると成り立ちません。