田部井淳子の死因と壮絶な闘病記|享年77、最期まで山に捧げた生涯の真実
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田部井淳子さんの命を奪った直接の死因は「腹膜がん(ふくまくがん)」です。腹膜とは胃や腸などの腹部内臓を覆う薄い膜のことで、ここに悪性腫瘍が発生する腹膜がんは、自覚症状が出にくく早期発見が極めて困難な難治性がんの一つとして知られています。
病魔が発覚したのは2012年春のことでした。体調の異変を感じて検査を受けたところ、すでに病状は進行しており、医師からは厳しい余命宣告を受けたとされています。しかし、彼女は絶望に打ちひしがれることなく、持ち前のバイタリティで治療に立ち向かいました。
定期的な抗がん剤治療を受け、脱毛や強い倦怠感、食欲不振といった副作用に苦しみながらも、田部井さんは「がんに私の生活のリズムを狂わされたくない」と語り、日常生活や講演活動、そして山歩きを可能な限り継続しました。抗がん剤の投与スケジュールと登山計画を照らし合わせ、体調の良い日を見計らっては国内外の山へ足を運び続けたのです。
その後、2016年秋に入り病状が急速に悪化。埼玉県川越市内の病院に入院し、懸命の治療と緩和ケアが続けられましたが、同年10月20日午前10時すぎ、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。享年77。満身創痍でありながら、凛とした姿勢を保ち続けた最期でした。