あん肝の下処理完全ガイド|生臭さを消す黄金比と蒸し時間の極意
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まな板の上に置かれた生のあん肝を前にして、多くの人が躊躇するのが「どこまで触ってよいのか」という加減です。しかし、ここでの躊躇はそのまま臭みとして残ります。極上の滑らかさを得るためには、あん肝の筋取り・薄皮剥きとあん肝の血管の取り方を完全にマスターしなければなりません。
調理に入る前に、ボウルに氷水をたっぷりと張り、あん肝を10分ほど浸して身を引き締めます。肝臓が冷えることで脂の溶出を防ぎ、組織が固まるため作業効率が格段に向上します。
薄皮と筋の処理は、包丁ではなく「指先」と「ペーパータオル」を駆使します。あん肝の表面を覆っている半透明の薄皮は、加熱すると縮んで硬い膜となり、舌触りを著しく損なう原因になります。端の部分にペーパータオルを当てて滑り止めにし、身を崩さないよう優しく引っ張りながら剥ぎ取っていきます。薄皮の下に見える太いスジは、指先で手繰り寄せるようにして外してください。
続いて、最大の難所である血管の除去です。あん肝の表面や裂け目を見ると、赤黒い線状の筋が網目状に走っているのが確認できます。これが臭みの主犯である血管です。竹串や爪楊枝の先端を使い、血管の端を引っ掛けて持ち上げ、静かに手前へと引き抜きます。途中で血管が切れて内部に血豆(血の塊)が残った場合は、串の先で軽く突いて切開し、流水を細く当てながら指の腹で血を押し出します。
「身がバラバラになってしまうのではないか」と不安になる必要はありません。後ほどアルミホイルで筒状に巻き上げて蒸す工程で、肝臓のタンパク質が熱凝固して完全に一本の美しい円柱形に密着します。この段階では、外見の形を保つことよりも、赤黒い血を1滴残らず除去することを最優先に作業を進めてください。