千代の富士を支えた特等床山・床雄の凄み|神技と知られざる現在

話題沸騰中の 千代の富士を支えた特等床山・床雄の凄み|神技と知られざる現在について、詳しいまとめをご紹介しています。

「ウルフ」の愛称で日本中を熱狂させた第58代横綱・千代の富士。その鋭い眼光とともにファンの脳裏に焼き付いているのが、彫刻のように美しく引き締まった大銀杏のシルエットです。実は、千代の富士のトレードマークとも言えるあのシャープな髷(まげ)の造形こそ、床雄氏の代名詞でした。

関係者の回顧録や当時の相撲専門誌の手記によると、千代の富士は髪結いに対して極めて繊細なこだわりを持っていたと伝えられています。頭頂部のバランスや鬢(びん)の張り出し具合、髷の角度が数ミリ狂うだけで、「今日の髷はしっくりこない」「気合いの入り方が違う」と敏感に察知する力士でした。そうした完璧主義を誇る大横綱が、生涯にわたり全幅の信頼を寄せていたのが床雄氏です。千代の富士は生前、親しい関係者に対し「床雄さんに結ってもらった髷で土俵に上がると、頭がキュッと締まり、視界が研ぎ澄まされて土俵の集中力が格段に変わる」と語っていました。

また、元横綱であり九重部屋の師匠を務めた北の富士勝昭氏との絆も深く、九重部屋旗揚げ当初の苦しい時代を共に乗り越えた同志でもありました。大銀杏を結う時間はおよそ15〜20分。そのわずかな無言の時間の中で、職人と力士の間には言葉を超えた「勝負師の波長」が通い合っていたと当時の部屋関係者は証言しています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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