茶道で世界を救う。裏千家・鵬雲斎大宗匠が切り拓く平和外交の未来

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鵬雲斎の思想の根底には、戦争の過酷な体験がある。自らも死を覚悟した特攻隊の基地で、明日をも知れぬ戦友たちに点てた最後の一服。あのお茶の温もりと戦友の表情が、彼の原点となった。「もし生き残ることができたなら、お茶を通じて世界に平和を訴える」――その誓いは、戦後80年以上にわたる歩みの中で一度も揺らぐことはなかった。

言葉による政治的な駆け引きが限界を迎える場所で、彼が実践した文化外交は異彩を放つ。大統領官邸や国際会議の場において、静寂の中で一服の茶を差し出す。湯気の立ち上る茶碗を手にした世界各国の指導者たちは、政治家としての鎧を脱ぎ、一人の人間として心を通わせた。千玄室という存在が成し遂げたのは、まさに茶の湯による無言の対話だった。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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