インフルエンザで薬を飲まないとどうなる?自然治癒の限界と真のリスク
インフルエンザで薬を飲まないとどうなる?自然治癒の限界と真のリスクの真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
薬の服用を頑なに拒む人々の心理的背景には、過去の報道による恐怖心が根強く残っています。特に「タミフルを飲んだ中高生が異常行動を起こして窓から飛び降りた」というセンセーショナルなニュースの記憶から、タミフル飲まない選択を自ら選ぶ保護者は少なくありません。
しかし、厚生労働省の研究班による数万人規模の大規模疫学調査によって、この認識は決定的に覆されています。異常行動の発生頻度は、タミフルを服用した群と服用していない群の間で有意な差が認められなかったのです。異常行動の主因は薬剤の成分ではなく、インフルエンザウイルスが脳に影響を与えることによる熱せん妄や、急激な高熱そのものが引き起こす神経症状であることが判明しています。
一方、単回投与で利便性の高いゾフルーザ副作用リスクに関しても、正しい理解が求められます。治験段階から指摘されている主な副作用は下痢(約3%)などの軽微な消化器症状ですが、臨床で問題視されたのは「アミノ酸変異による耐性ウイルスの出現」です。特に免疫が未発達な小児において耐性化率が成人に比べて高いことが判明した経緯があり、日本小児科学会の治療指針でも小児に対する積極的投与には慎重な姿勢が維持されています。
さらに極めて危険な盲点が、インフルエンザ解熱剤のみで症状を凌ごうとする市販薬の自己判断服用です。発熱がつらいからと、自宅にあるロキソニン(ロキソプロフェン)やボルタレン(ジクロフェナク)、アスピリンを安易に内服すると、小児や若年層では「ライ症候群」や「インフルエンザ脳症」の重症化を誘発するリスクが跳ね上がります。解熱鎮痛剤を使用する場合は、小児・成人を問わずアセトアミノフェン製剤(カロナールなど)を選択することが鉄則です。