サッカーのアディショナルタイムとは?なぜ10分超へ激変したのか徹底解剖
サッカーのアディショナルタイムとは?なぜ10分超へ激変したのか徹底解剖に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
多くのサッカーファンが抱く「なぜ最近のアディショナルタイムは10分以上もあるのか?」という疑問。その決定的な転換点となったのが、2022年カタールワールドカップでした。当時、イングランド対イラン戦で前半14分、後半13分という前代未聞の長さが記録され、世界中に衝撃を与えた光景は記憶に新しいところです。
この劇的な変化を主導したのが、FIFA審判委員長を務める名レフェリー、ピエルルイジ・コッリーナ氏です。コッリーナ委員長は大会前の記者会見で、「ピッチ上でアクティブにボールが動いている時間を増やしたい。祝勝セレブレーションや負傷、交代で失われた時間を正確に補填する」と明言しました。それまで主審の裁量や感覚に頼りがちだった時間測定を、第4の審判員やVARチームと連携し、ストップウォッチで1秒刻みで合算する運用へと舵を切ったのです。
サッカー競技規則第7条(試合の時間)において、アディショナルタイムの算定対象として規定されている主な事象は以下の通りです。
- 選手交代:1人あたりおよそ30秒から45秒の停止時間として機械的にカウント。
- 負傷者の診断・ピッチ外への搬出:ドクターがピッチに入ってから選手が外へ出るまでの全実測時間。
- 得点後のセレブレーション:ゴールが決まってからキックオフで再開されるまで、通常1分から1分30秒程度かかる時間をそのまま合算。
- VARによるレビュー:重大な判定(得点・PK・一発退場・人違い)のチェックおよびオンフィールドレビューにかかった全停止時間。
- 意図的な時間稼ぎ行為:スローインやゴールキック、フリーキックの場面で意図的に再開を遅らせた秒数。
- 飲水タイムやクーリングブレイク:熱中症対策で設けられた公式ブレイクの所要時間。
たとえば、後半に両チーム合わせて6回の選手交代(約3分)、ゴールが2点生まれて歓喜の輪が広がる(約3分)、負傷者の手当てが1回(約2分)、VARの映像確認が1回(約2分)発生しただけで、一切の不正な時間稼ぎがなくても自動的に10分の追加時間が弾き出されます。「10分が長すぎる」のではなく、「それまで見過ごされていた10分の停止時間が正確にピッチへ返還された」というのが現場の真実です。