自宅でドライアイスは作れる?消火器やシリンダー自作の危険性と真実
自宅でドライアイスは作れる?消火器やシリンダー自作の危険性と真実について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
ネット検索や動画プラットフォームでは、「自宅でドライアイスを自作する方法」として特定の機材を使った裏ワザが紹介されるケースが後を絶ちません。こうした噂の真相と技術的な実態を検証します。
1. 二酸化炭素消火器を使った自作の危険性
海外のサイエンス動画などで頻繁に見られるのが、業務用の二酸化炭素消火器のノズルに厚手の布袋(ピローケースなど)を縛り付け、レバーを引いてドライアイススノーを捕集する手法です。確かに二酸化炭素消火器の中身は高圧液化炭酸ガスであるため、噴射すれば袋の中に粉末ドライアイスが溜まります。
しかし、日本国内の家庭や一般施設に設置されている消火器の9割以上は「ABC粉末消火器」であり、これを作動させても薬剤の粉末が飛び散るだけでドライアイスは一切できません。さらに、本物の二酸化炭素消火器は約6MPa(約60気圧)という凄まじい高圧でガスが充填されており、噴射時の強力な反動でホースが暴れたり、噴出口の金属部を素手で触れて瞬時に重度の凍傷を負ったりする重大事故が報告されています。
2. ソーダストリーム等「炭酸ガスシリンダー」自作の真相
家庭用炭酸水メーカーの普及に伴い、「ソーダストリームなどの炭酸ガスシリンダーを直接放出すればドライアイスができるのでは」と考えるユーザーが増加しました。結論から言えば、この行為は極めて危険であり絶対に実行してはなりません。
家庭用シリンダーは、本体機器に装着して微量ずつガスを注入する設計になっています。バルブピンを工具などで無理やり押し込んで急激に生ガスを噴出させると、噴射口内部で生じたドライアイスがバルブを瞬間的に凍結・閉塞させます。逃げ場を失った高圧ガスがシリンダー周辺の金具を破壊し、金属片が飛散する破裂事故につながる恐れがあります。各メーカーの取扱説明書でも、シリンダーの単体噴射や目的外使用は固く禁止されています。