嫡出子とは?非嫡出子との違いや相続・民法改正の全貌を徹底解説
嫡出子とは?非嫡出子との違いや相続・民法改正の全貌を徹底解説の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
法的な定義として、嫡出子とは「婚姻関係にある男女の間に生まれた子」を指します。これに対し、法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子は「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」または「婚外子」と位置づけられます。 両者の間で生じる最大の法律上の違いは、「出生の瞬間における父親との法的な親子関係の発生プロセス」と「親権の帰属」にあります。
嫡出子の場合、母親が出産した事実によって母子関係が確定するだけでなく、民法の「嫡出推定」の規定により、特別な手続きを踏むことなく夫が自動的に法律上の父親となります。出生届を提出するだけで夫婦の戸籍に子が入り、夫婦が共同で親権を行使する「共同親権」が成立します。
一方、非嫡出子の場合は構造が異なります。母子関係は分娩の事実によって当然に発生しますが、父親との間には出生届を出しただけでは法的な親子関係が一切成立しません。父親が法律上の親となるためには、任意または強制による「認知」の手続きが必須です。また、親権は原則として母親の単独親権となり、父親が親権者になるには父母の協議や家庭裁判所の調停・審判を通じて親権者を指定する必要があります。
戸籍の記載方法にもかつては露骨な差異がありました。過去の戸籍実務では、嫡出子が「長男」「長女」と記載されるのに対し、非嫡出子は「男」「女」とだけ記載され、一目で婚外子であることが判別できる運用がなされていました。しかしプライバシー保護や差別解消を求める市民運動と日弁連などの是正勧告を受け、2004(平成16)年11月以降は非嫡出子であっても嫡出子と同様に「長男」「長女」と表記を統一する運用へと改められています。現在では、戸籍の続柄欄だけで差別的なラベリングがなされることはなくなりました。