膝の皿が腫れる滑液包炎の正体|水が溜まる原因と放置のリスク検証
膝の皿が腫れる滑液包炎の正体|水が溜まる原因と放置のリスク検証を徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を凝縮して配信します。
膝の周囲には複数の滑液包が存在しますが、臨床上特に発症頻度が高く、生活習慣と密接に関わるのが「膝蓋前(しつがいぜん)滑液包炎」と「鵞足(がそく)滑液包炎」の2大疾患です。
膝蓋前滑液包炎は、お皿の骨(膝蓋骨)と皮膚の間にある滑液包に生じます。かつて英国で床拭き作業を行う召使に多発したことから「ハウスメイズ・ニー(女中膝)」とも呼ばれ、現代でもタイル職人、配管工、畳職人、あるいは日常的に雑巾がけやガーデニングを行う方に多く見られます。一方、鵞足滑液包炎は膝の内側、お皿から指2〜3本分ほど下がったすねの骨の内側に発症します。ここには縫工筋・薄筋・半腱様筋という3本の筋肉の腱が鳥の足の形のように集束しており、ランニングやサッカーでのキック動作、X脚傾向のある方の歩行時に腱と骨が擦れ合うことで発症します。
部位ごとに異なる負担メカニズムを踏まえた上で、鵞足滑液包炎の治し方および膝の滑液包炎の再発防止に至る経緯を辿ると、単なる局所の安静にとどまらない根本的な動作改善のプロセスが浮かび上がってきます。
鵞足部の場合、大腿内側から裏側にかけてのハムストリングスや内転筋群の柔軟性低下が摩擦を激化させる主因です。そのため、急性期の痛みが引いた後は、理学療法士の指導下で骨盤後傾を是正し、過回内(オーバープロネーション)を抑止する足底板(インソール)の処方を受けることが根本治療となります。膝蓋前滑液包炎においては、膝立ち作業を徹底して避ける環境調整が最優先です。止むを得ず膝をつく場合は、厚さ20ミリ以上の高密度衝撃吸収パッドを着用し、点ではなく面で体重を分散させる動作習慣の定着が、再発防止の決定打となります。