エンタシスとは?法隆寺とパルテノン神殿の柱が膨らむ謎と真相を徹底解説

エンタシスとは?法隆寺とパルテノン神殿の柱が膨らむ謎と真相を徹底解説の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

なぜ巨石や巨木を削り出す途方もない労力をかけてまで、柱にあえて膨らみを持たせるのでしょうか。最大の理由は「エンタシスの効果と錯視」をめぐる視覚心理の補正にあります。

人間の目は、完全な円筒形や平らな直線に対して不思議な錯覚を起こします。均一な太さの直柱が空や屋根を背にして高くそびえ立っている場合、中央部が内側にきゅっとくびれて細く見えてしまう「中央狭窄の錯視」が生じるのです。その結果、建築物全体がどこか頼りなく、重さに耐えかねて今にも折れそうな不安感を鑑賞者に与えてしまいます。

エンタシスは、この錯視をあらかじめ計算し、中央にわずかな膨らみを与えることで、下から見上げたときに「完璧に垂直で力強い直線」に見えるよう心理的な是正を図ったものと長年説明されてきました。

しかし、近年の視覚認知学や建築意匠論の現場では、単なる「幾何学的直線の再現」以上の効果が指摘されています。屋根という巨大な重量を受け止め、大地に根を張ってグッと押し返す筋肉のような「生命力と安定感」の付与です。完全に無機質な直線柱よりも、わずかな曲率を持つ柱のほうが、人間にとって直感的な安心感と威厳を感じさせるという心理的バイアスが綿密に利用されています。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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