目立たない部分入れ歯は保険適用できる?銀バネの現実と後悔しない選び方

目立たない部分入れ歯は保険適用できる?銀バネの現実と後悔しない選び方の真相について、専門知識を基に徹底解説します。

ノンクラスプデンチャーの代名詞的存在として国内外で広く認知されているのが「スマイルデンチャー」です。SNSや口コミサイトを調査すると、「笑っても入れ歯だと誰にも気づかれない」「口元のコンプレックスが解消されて人前で話すのが楽しくなった」といった好意的な評価が多数を占めます。薄くて軽く、装着時の違和感が少ない点は、従来の保険入れ歯に苦しんでいた層から高い支持を集めています。

しかし、一方で「作ってから1〜2年で後悔した」と打ち明ける患者も一定数存在します。専門医の臨床データおよび長期利用者の生の声から浮き彫りになった後悔の理由は、主に次の3点に集約されます。

第1に、「破損やゆるみが生じた際の修理が極めて困難である点」です。保険適用のレジン床義歯であれば、歯科医師がチェアサイドで即座に樹脂を盛り足して修理したり、バネの締め具合をプライヤーで微調整したりできます。しかし、スマイルデンチャーをはじめとする弾性樹脂は特殊な熱可塑性素材であるため、修理のたびに提携歯科技工所へ送る必要があり、数日から1週間ほど義歯を預けなければなりません。最悪の場合、修理不能で数十万円をかけて再作製を余儀なくされる事例もあります。

第2に、「噛む力の逃げによる顎骨の吸収と噛み合わせの変化」です。金属のバネには「レスト」と呼ばれる突起があり、噛んだときの垂直方向の力を残った健康な歯でガッチリと受け止める役割を果たしています。対して、弾性樹脂のみで支える純粋なノンクラスプデンチャーは、強い咬合力が加わると床全体がたわみ、歯茎に直接過度な圧力がかかりがちです。これにより、数年かけて入れ歯の下の歯槽骨(顎の骨)が徐々に痩せてしまい、急激にフィット感が失われるリスクが指摘されています。

第3に、「経年劣化による変色と臭いの吸着」です。耐用年数が近づく2〜3年目以降、表面に微細なスレ傷が入り、飲食物の色素沈着や細菌の繁殖による口臭が気になり始めるケースが報告されています。自費の高額な費用を払ったからといって「一生モノ」ではなく、定期的な洗浄剤管理と消耗品としての割り切りが求められるのが現実です。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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