木彫りの熊が100万円超え?高級美術品化した理由と2026年相場
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木彫り熊の真のルーツは、尾張徳川家第19代当主・徳川義親(よしちか)が1920年代にスイス旅行で持ち帰ったペザントアート(農民美術)に始まります。義親は、厳しい冬の八雲町を開墾する農民たちの冬期副業および美的情操の涵養を目的に木彫りを奨励しました。この歴史的背景から、八雲の熊には「鮭をくわえさせない」「写実を超えた独自の美を追求する」という厳格な美意識が根付いたのです。
その八雲の美意識を極限まで押し上げたのが、古美術市場で「三大巨匠」と称される名工たちです。
筆頭に挙げられるのが、抽象熊の先駆者である柴崎重行(しばざき しげゆき/雅号:志)です。柴崎はヤスリ掛けや彩色を一切拒み、ノミや斧の削り跡(ハツリ)だけで熊の骨格と躍動感を表現しました。その作品は「彫刻というよりも、木の中に眠る熊を呼び起こした精神的造形」と評され、オークションでは常に最高値を更新し続けています。
続いて、独特の流線形と洗練されたモダンさを誇る根本勲(ねもと いさお)、ユーモラスでありながら力強い生命美を宿す「木歩(もっぽ)」こと引間二郎(ひきま じろう)が続きます。彼らの作品は、柳宗悦らが提唱した民藝運動の哲学や、北欧ミッドセンチュリーデザインとも深く共鳴し、単なる郷土工芸を超えた孤高のアートピースとして位置付けられています。