漢字「南」の書き順は内側が落とし穴?正しい筆順と綺麗に書くコツを徹底図解

漢字「南」の書き順は内側が落とし穴?正しい筆順と綺麗に書くコツを徹底図解に関する基本知識をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

筆順をより深く、忘れられない知識として定着させるためには、漢字の「成り立ち(語源)」を知ることが極めて有効です。「南」という文字は、最初から方角の「みなみ」を表すために作られた文字ではありませんでした。

古代中国の甲骨文字や金文の文字考古学的な研究によると、「南」は古代の青銅製の打楽器(鐘や銅鐸のような吊り下げ式の打楽器)の形を象った象形文字とされています。

文字の上部にある「十」の部分は、楽器を吊り下げるための「紐や柄(把手)」を表しています。そして外枠の「冂」とその内部に広がる複雑な線は、美しく装飾された楽器の「響板や本体の文様」を忠実に写し取ったものです。

当時、この楽器が中国南方の民族によって好んで演奏されたこと、あるいは暖かな南方から伝来した心地よい音色を奏でる器物であったことから、音を借りる「仮借(かしゃ)」という手法によって、やがて方位の「みなみ(南方)」を指す漢字として転用されるようになりました。

歴史的な語彙の中にも、この文字は深く根付いています。太陽が真南に来る「南中(ナンチュウ)」や、厳しい自然環境を示す「南極(ナンキョク)」といった科学・地理用語から、仏教用語の「南無(ナム)」、カボチャを意味する「南瓜(ナンカ・カボチャ)」、さらには『越鳥南枝(えっちょうなんし:故郷を懐かしみ忘れがたく思うこと)』や『斗南一人(となんのいちにん:天下で並ぶ者がいないほど優れた人物)』といった格調高い四字熟語まで、幅広い文化的広がりを持っています。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest