サモトラケのニケなぜ首がない?ルーヴルの至宝とナイキ由来の真相

サモトラケのニケなぜ首がない?ルーヴルの至宝とナイキ由来の真相の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

現在、ルーヴル美術館のドゥノン翼2階へと続くサモトラケのニケ ダリュの階段(Escalier Daru)は、世界中から訪れる鑑賞者で常に熱気に包まれています。大階段の踊り場という、空間全体を舞台装置に見立てた展示演出は、建築家エクトル・ルフュエルによって19世紀末に設計されたものです。

現場を訪れた際に絶対に押さえておくべきサモトラケのニケ 鑑賞ポイントは、以下の3点に集約されます。

  • 風に張り付く「濡れ衣(ドラペリー)」の超絶技巧:激しい潮風を受け、薄いキトン(古代ギリシャの衣服)がお腹や太ももにぴったりと張り付く様子が大理石で見事に彫り込まれています。硬質な石であることを完全に忘れさせる、布の透け感と肉体の柔らかさの対比は圧巻です。
  • 左右非対称が生み出すスパイラル構造:右足を前へ踏み出し、左半身を後ろへと引きながら胸を張る立体的なねじれ構造を持っています。正面だけでなく、「左斜め前45度」の位置から見上げた時、最も劇的な飛行のダイナミズムを感じられるよう設計されています。
  • 左右の翼の違い(オリジナルと石膏復元):実は向かって右側(像の左翼)が発見された本物の破片を組み合わせたもので、向かって左側(像の右翼)は左右対称になるよう型取りして作られた近代の石膏製レプリカです。間近で質感の違いを確認するのも通の楽しみ方です。

2013年から2014年にかけて行われた総工費約400万ユーロ(世界各国からの個人寄付を含む)の大規模修復プロジェクトでは、経年変化で黄色く変色していた大理石の汚れが特殊レーザー等で丹念に除去されました。その結果、紀元前に刻まれたパロス島産大理石の透き通るような白さと、台座の灰色大理石のシャープな陰影が見事に復活しています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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