『孤独のグルメ』主役・松重豊の降板説と後継者候補の全内幕
『孤独のグルメ』主役・松重豊の降板説と後継者候補の全内幕の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
漫画雑誌『月刊PANJA』での連載開始から30年以上の時を経て愛され続ける原作漫画『孤独のグルメ』(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)。実写化が具体化した当時、テレビ関係者の間では「中年の男がただ一人でご飯を食べるドラマに需要があるのか」と懐疑的な見方が大半を占めていました。事実、民放キー局のいくつかで企画が持ち込まれながらも成立しなかった経緯があります。
そうした逆風の中、テレビ東京の深夜ドラマ枠「ドラマ24」で企画を立ち上げた制作陣が白羽の矢を立てたのが、井之頭五郎の俳優として現在も象徴的存在となっている松重豊でした。1963年生まれの松重は、蜷川幸雄主宰の「蜷川スタジオ」を経て、映画や舞台でヤクザや刑事など骨太な悪役・脇役として圧倒的な存在感を放っていたバイプレイヤーです。いわゆる「グルメ番組のタレント」とは対極に位置するキャスティングでした。
制作関係者の証言によると、決め手となったのは松重の「188cmという圧倒的な長身」と「食べ物に媚びない無骨な佇まい」でした。原作に登場する井之頭五郎の実在モデルは、作画の谷口ジロー自身の風貌や、昭和のハードボイルド小説に登場する寡黙な男のイメージが投影されています。原作の五郎は古武道の心得があり、大柄でスーツを着こなす独特の哀愁漂う男です。下町の狭いカウンター席に大男が身を縮めて座り、誰とも群れずに真剣な眼差しで料理と対峙する絵面を作れる俳優は、当時の演劇界において松重豊の右に出る者がいませんでした。
しかし、オファーを受けた当の松重自身は「おじさんが一人でご飯を食べているだけのドラマが、なぜ成立するのか全く理解できなかった」と当時の特番インタビューや手記で述懐しています。自身の小食な体質も相まって、当初は「1シーズンで終わる深夜の実験作」と割り切って引き受けたことが、10年以上続くモンスターコンテンツの幕開けとなりました。