梅毒の皮膚症状、かゆみなし赤斑が消えても放置が危険な真相
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感染から約3か月が経過すると、血液を通じて病原体が全身に広がり、第2期と呼ばれる全身性の皮膚・粘膜症状が出現します。この時期を代表する兆候が、梅毒性バラ疹(ばらしん)です。
バラ疹の特徴は、直径数ミリから1〜2センチ程度の淡い紅色をした円形・楕円形の斑点で、体幹(胸やお腹、背中)を中心に広がり、やがて四肢へと波及します。なかでも「手のひらや足の裏」に発疹が出る現象は、皮膚科領域において梅毒を強く示唆する決定的な鑑別所見とされています。一般的なウイルス性発疹やアレルギー反応が手のひらや足底を避けて出現しやすいのに対し、梅毒は掌蹠(しょうせき)に明瞭な赤色斑やわずかに盛り上がった丘疹を形成します。
第2期の皮膚症状はバラ疹にとどまりません。炎症が進行すると以下のような多様な皮膚病変が現れます。
- 丘疹性梅毒疹:赤褐色の硬い盛り上がりが全身に多発し、表面に薄い皮がむける落屑を伴う。
- 梅毒性乾癬:手のひらや足の裏の丘疹が厚く角化し、一般的な乾癬に酷似した鱗屑をまとう。
- 扁平コンジローマ:外陰部や肛門周囲、脇の下などの擦れやすい部位に生じる、平たく盛り上がった湿潤性のいぼ状病変(極めて感染力が強い)。
- 梅毒性脱毛症:頭髪が虫食い状(円形脱毛が散在する形)にパラパラと抜け落ちる。
これらの皮膚症状も、数週間から数か月で一時的に軽快・消失します。この「自然消退」こそが梅毒の最大の罠であり、病変が見えなくなっても体内では病勢が静かに進行しています。