南極観測船ふじの歴史と現在|プロペラ事故の真相から見学ガイドまで

南極観測船ふじの歴史と現在|プロペラ事故の真相から見学ガイドまでの要点を詳しく解説してご紹介します。

詳細を見る

日本の南極観測事業は、決して順風満帆な歩みばかりではありませんでした。1956年から始まった「宗谷」による初期観測は、幾多の奇跡を起こしたものの、元が商船(貨客船)の改造船であったため、激しい氷圧と老朽化によって第6次観測(1962年)をもって限界を迎えました。これにより、昭和基地は一時閉鎖に追い込まれ、日本の極地観測は事実上の中断という深刻な危機に直面したのです。

この国家的窮地を打開すべく、国費を投じてゼロから設計されたのが日本初の本格的砕氷艦「ふじ(艦番号 AGB-5001)」でした。1965年3月18日に進水し、運用は防衛庁(当時)の海上自衛隊が担うこととなりました。船体を前後に揺らす「トリミング」や左右に傾斜させる「ヒーリング」装置、さらに氷を乗り越えて自重で砕く強固な船首構造を備えた最新鋭艦の誕生です。

1965年11月20日、「ふじ」は第7次南極地域観測隊員40名と乗組員182名を乗せて東京・晴海埠頭を出港。翌1966年1月には見事に昭和基地の再開を果たし、日本の極地観測の灯を再び灯しました。以来、1983年の第24次観測まで計18回にわたり過酷な南氷洋を往復し、日本の科学技術と極地研究の発展を根底から支え続けました。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest