脳の血管が切れるとどうなる?前兆・生存率と命を守る緊急対処法
脳の血管が切れるとどうなる?前兆・生存率と命を守る緊急対処法とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
脳の血管障害において、治療開始までの所要時間は後遺症の重さと生存率に直結します。一刻を争う救急医療の現場で、一般市民向けに国際的に推奨されている合言葉がFAST脳卒中見分け方です。
「FAST」は疑わしい症状をすばやく判別するための頭文字を取ったものです。まず「F(Face:顔)」で笑顔を作らせ、顔の片側が下がっていないかを確認します。次に「A(Arm:腕)」で両腕を前に突き出して手のひらを上に向けたままキープさせ、片方の腕が自然に下がってこないかを確かめます。そして「S(Speech:言葉)」で短い簡単な文章(例:「今日はいい天気です」)を復唱させ、ろれつが回っているか、言葉が正しく発せられるかを見ます。これら3つのうち1つでも異常があれば、「T(Time:時間)」――直ちに発症時刻を確認し、迷わず119番通報するステップへ移行します。
通報と並行して実践すべき脳出血緊急対処法には、絶対に守るべき厳格なルールが存在します。最も重要なのは、「水や薬を絶対に飲ませないこと」です。血圧を下げようと常用している降圧剤を飲ませたり、意識をはっきりさせようと水を飲ませたりすると、嚥下機能が低下しているため気管に入り、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こして命を奪う直接原因になります。
倒れた本人は平らな場所へ寝かせ、ネクタイやベルトを緩めて呼吸を楽に保ちます。嘔吐を伴うケースが非常に多いため、吐瀉物が気道を塞がないよう、顔を横に向けた「回復体位」を取らせることが鉄則です。また、「様子を見るために一晩寝かせる」「自家用車で病院へ連れて行く」という判断は厳禁です。救急車であれば、移動中に血圧管理や気道確保の処置を受けられるだけでなく、脳神経外科の緊急手術が即座に行える適切な三次救急医療機関へと直結搬送されます。