特別永住者と永住者の違いを徹底解剖|退去要件と法的権利の真相
特別永住者と永住者の違いを徹底解剖|退去要件と法的権利の真相の基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。
インターネット上の論争では、特別永住者に対して「莫大な特権が与えられている」「生活保護や税制で優遇されている」といった言説がしばしば拡散されます。しかし、客観的な法制度を照らし合わせると、こうした情報の多くは明白な誤解やデマに基づいています。
まず、最も激しい論争の対象となる参政権や公務員就任の制限についてです。憲法第15条第1項および最高裁判所の判例(1995年2月28日判決等)において、国政選挙および地方選挙における選挙権・被選挙権はいずれも「日本国民」に固有の権利と判示されています。したがって、特別永住者であっても地方参政権・国政参政権は一切認められていません。公務員就任についても、「公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる公務員には日本国籍が必要」という「当然の法理」が適用され、裁判官、警察官、自衛官、中央省庁の幹部職員などの要職への就任は認められていません(一部自治体で一般行政職の国籍条項を撤廃する例はあるものの、管理職昇任には依然として制限が残ります)。
また、「生活保護を無条件に受給できる」という言説も正確ではありません。生活保護法第1条において保護の主体は「国民」と規定されており、特別永住者や一般永住者への保護費給付は、1954年の厚生省社会局長通知に基づく「人道上の行政措置(準用)」として行われています。資産や所得の調査要件は日本国民と全く同等であり、特別永住者だからといって受給審査が甘くなるような制度的特権は法的に存在しません。
さらに、制度の根本を理解するうえで不可欠なのが帰化申請との違いです。永住ステータスと帰化の違いを混同しているケースが多く見受けられますが、その違いは明快です。
- 特別永住者・一般永住者:外国籍を保持したまま、日本での在留期間に制限がない「在留資格・法的地位」を有する状態。パスポートは出身国・地域のものを使用。
- 帰化:法務大臣の許可を得て出身国の国籍を離脱・喪失し、日本の国籍(戸籍および日本国旅券)を取得して正式に「日本人」となる手続き。
特別永住者は日本生まれの世代が大多数を占めるため、国籍法第6条に基づく「簡易帰化」の要件が適用され、居住年数などの面で一般外国人よりも帰化手続きの要件が大幅に緩和されています。それにもかかわらず特別永住の身分を維持し続ける当事者には、自らの民族的ルーツやアイデンティティ、家系への敬意を尊重する心理的理由が背景に存在します。