走れメロスが「おかしい」と言われる衝撃の真相5選を徹底解説
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『走れメロス』を読んだ読者が違和感を覚える最大の理由は、主人公・メロスの激情に任せた短絡的な行動と、道徳的な物語としての体裁との間に生じる圧倒的なギャップにあります。物語の冒頭、メロスはシラクスの町に入り、人間不信に陥ったディオニス王が民衆を処刑している噂を耳にします。これに激怒したメロスが取った行動は、政治的な対話でも抗議運動でもなく、「短剣を懐に忍ばせて王城へ乗り込む」という極めて無計画な単独暗殺未遂でした。
警備兵に即座に捕縛されたメロスは、王から尋問を受けると「町を暴君の手から救うのだ」と悪びれもせずに言い放ちます。現代の法規範に照らし合わせるまでもなく、警備側から見れば単なるテロ未遂犯であり、ディオニス王が処刑を宣告するのは統治者として至極当然の判断です。しかしメロスは、妹の結婚式を執り行うために「3日間の猶予」を要求し、その身代わりとして竹馬の友である石工のセリヌンティウスを差し出すという驚くべき提案を行います。
さらに物語を追うと、読者が思わず絶句する場面が連続します。無事に妹の結婚式を終えたメロスは、翌朝すぐに飛び起きるどころか、疲労を理由に昼近くまで熟睡し、出発を先延ばしにしています。川の氾濫や山賊の襲撃というトラブルがあったとはいえ、途中で「もう、どうでもいい」と完全に走るのを放棄して大の字に寝そべるくだりは、美談の主人公らしからぬ人間的弱さの露呈です。そして極めつけは、衣服をすべて破ぎ取られ「全裸のメロス」としてシラクスの処刑場に飛び込んでいくラストシーンです。感動的な友との再会劇でありながら、視覚的には全裸の男が息を切らして親友の前に現れるという異様な構図が完成しています。