あの白い花が咲く木の名前は?季節別の見分け方と失敗しない庭木選び

あの白い花が咲く木の名前は?季節別の見分け方と失敗しない庭木選びについての最新情報を徹底解説します。

街路樹や庭園で見かける白い花は、四季の移ろいとともにその主役を交代していきます。名前を特定する最大のカギは、「開花する月」と「花が先か、葉が先か」という2つの生態的特徴にあります。

早春の訪れを告げる代表格がモクレン科の樹木です。葉が一切展開していない灰色の梢に、上を向いて肉厚な純白の花を咲かせるハクモクレンの特徴は、遠目からでも一際目を引く大型のカップ状の花冠弁にあります。これと非常によく似ており、判別に迷う人が多いのがコブシです。現場で瞬時に識別するためのコブシの見分け方としては、花の真下に「小さな若葉が一枚だけ添えられているか」を確認することが確実な判定基準となります。また、ハクモクレンの花弁が上向きに整然と半開きで咲くのに対し、コブシは花弁が薄く、四方八方にやや乱雑に開ききる点も見逃せない差異です。

4月中旬から5月にかけての白い花が咲く木(春)の代表格といえば、街路樹としても親しまれているハナミズキ(白)です。ハナミズキの白い部分は花弁ではなく「総苞片(そうほうへん)」と呼ばれる葉の一種であり、先端にくっきりと小さなくぼみ(切れ込み)があるのが特徴です。初夏に咲く近縁種のヤマボウシは先端が尖っているため、この形状の違いを見れば開花時期が重なる端境期でも見誤ることはありません。

季節が移り、木々の葉が深い緑に覆われる5月下旬から7月の白い花が咲く木(夏)では、涼やかな印象を与える樹種が台頭します。細やかな羽状複葉の間から、まるで煙や泡のように繊細な小花を密生させるのがシマトネリコの花です。遠くから見ると梢全体に粉雪が降り積もったような独特のテクスチャーを見せ、初夏の風に揺れる姿は現代の街路景観を象徴する光景となっています。

視覚だけでなく、濃厚な白い花が咲く木の匂いによって存在を主張するのが、初夏に咲くクチナシの香りです。日本の三大香木(ジンチョウゲ、クチナシ、キンモクセイ)の一角を占めるクチナシは、ジャスミンにも似た重厚で甘美な芳香を放ちます。梅雨時の湿気を含んだ大気の中でその芳香成分が強く漂うため、姿が見える前に香りでその存在に気付くことも珍しくありません。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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