刺繍糸の取り方決定版!もう絡まない引き出しの極意と1本抜き技

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カセから適正な長さを切り取った後、次に立ちはだかる関門が「糸を必要な本数に分ける作業」です。一般的な25番刺繍糸は、極細の繊維が合糸された「6本撚り(6本が軽くねじり合わされた状態)」で構成されています。図案の指示に従って「2本取り」や「3本取り」で使用しますが、多くの人がここで2本をまとめて掴み、一気に引き裂こうとして巨大な毛玉を作ってしまいます。

刺繍糸1本だけ抜く方法(アコーディオン現象の活用)

プロの刺繍家が実践する刺繍糸1本だけ抜く方法は、物理学的な摩擦コントロールに基づいています。驚くべきことに、何本取りにする場合であっても、「必ず1本ずつ抜いてから、後で必要な本数を束ね直す」のが世界共通の正解です。

具体的な手順は次の通りです。

  1. 切り出した6本の束の先端を指先で軽くほぐし、6本の毛先を扇状に広げる。
  2. その中から「1本だけ」を利き手の指先でしっかりとつまむ。
  3. もう片方の手で、残りの5本の束の根本を「軽く指先で挟む程度」のソフトな力で保持する。
  4. 1本だけをつまんだ手を、真上に向かって垂直にゆっくり引き抜く。

このとき、保持している下の5本の束がクシュクシュと激しく縮み、アコーディオンのように縮んで団子状にまとまります。初心者はこの縮みを見て「絡まってしまった!」とパニックになりがちですが、決して手を離してはいけません。そのまま恐れずにスーッと1本を引き抜き切ると、手元に残った5本は指先をすっと滑らせるだけで、何事もなかったかのように元のまっすぐな状態へ戻ります。この1本抜きを必要な回数だけ繰り返します。

刺繍糸2本取りのやり方と仕上がりの劇的な違い

なぜ、最初から2本をまとめて抜いてはいけないのでしょうか。6本撚りの糸は、製造工程で全体に均一な緩い撚り(Z撚り・S撚り)がかけられています。2本をまとめて引き抜こうとすると、隣り合う糸同士の撚りが互いに干渉し合い、引き抜く力によって撚りが強烈に圧縮され、瞬時に硬い結び目を形成してしまいます。

1本ずつ丁寧に引き抜いた糸を改めて2本揃えて針に通す刺繍糸2本取りのやり方を徹底すると、糸本来が持つ撚りのストレスが解放され、ステッチを刺した際に布の上で糸がふっくらと平らに広がります。繊維の表面が光を均一に反射するため、仕上がりの艶と発色の美しさに歴然とした差が生まれるのです。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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