『さかながはねて』が愛される理由とは?歌詞と保育のねらい徹底解剖

『さかながはねて』が愛される理由とは?歌詞と保育のねらい徹底解剖とはどのようなものなのか? 詳しい意味を整理してお届けします。

保育現場や家庭において、子どもたちが一瞬で集中する導入の手遊びとして「さかながはねて」は定番中の定番に位置付けられています。取材に応じた都内私立認可保育園の主任保育士は「朝の会やお昼寝前の落ち着かない時間帯でも、ピアノなしで両手を胸の前で泳がせるだけで、園児の視線が一瞬で集まる」と現場の実感を明かします。子どもたちをこれほど惹きつける背景には、発達心理学に基づいた3つの明確な仕掛けが存在します。

第1に、「緊張と緩和(タメと解放)」のリズム構造です。魚がすいすいと泳ぐ緩やかなテンポから、「ぴょーん!」というオノマトペとともに両手を高く掲げる急上昇の動きが、乳幼児の前頭葉を適度に刺激します。次に何が起こるかというワクワクした期待感を抱かせ、魚が自分の体にくっつく瞬間に笑いが弾けるという、心地よいカタルシスを生み出しています。

第2に、「自己の身体認知(ボディースキーマ)」の獲得を助ける点です。乳幼児期は、頭、目、口、お腹、お尻といった自分の体の各部位を客観的に認識していく発達の重要な過程にあります。「さかながはねて」は歌に合わせて身体の特定部位に触れる動作を繰り返すため、触覚と視覚、聴覚が同時に統合され、楽しみながら自分の身体地図を脳内に形成していきます。

第3に、「見立て」の面白さです。魚が頭にくっついたら「帽子」、目元にくっついたら「メガネ」、口にくっついたら「マスク」へと、ひとつのシンボルが別の日常アイテムにパッと変化します。ピアジェの発達理論における前操作期(2〜7歳頃)に見られる「象徴機能(見立て遊びの力)」を巧みに刺激するため、幼児は想像の世界を広げながら夢中になって真似をするのです。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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