すいませんとすみませんの違いは?職場で信頼を落とすNg理由と正しい敬語
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「すいません」と「すみません」の最大の違いは、正統な日本語表現か、それとも発音の便宜上崩された俗語(口語表現)かという点にある。結論から言えば、辞書に掲載されている正しい日本語は「すみません」のみであり、「すいません」は正規の言葉ではない。
この二つの言葉のルーツをたどると、動詞「済む(すむ)」に辿り着く。「済む」は「物事が終了する」「気持ちが収まる・心が澄み切る」という意味を持つ。これに打消しの丁寧表現「ぬ・ない(ません)」が結びついた済まない語源が現在の形を形成した。つまり、「私の至らなさにより、このままでは物事が解決しません」「お詫びや感謝の気持ちがいっぱいで、私の心が晴れ晴れと澄みません」という胸中を吐露した言葉が「すみません語源」の本質である。公用文や正式な書類で用いられるすみません漢字表記は「済みません」となる。
では、なぜ現代において「すいません」がこれほど広く定着しているのか。その要因は、音声学でいう「音変化(発音の経済性)」にある。
日本語の発音において、「す・み・ま・せ・ん」の「み(mi)」を発声する際、唇を上下にしっかりと閉じる必要がある。しかし、日常の早口な会話やくだけた間柄では、唇を閉じる動作を省き、口を開けたまま調音できる「い(i)」へと母音が変化しやすい。この生理的な発声の省略によって生まれたのがすいません口語表現である。歴史的に見ても「さようなら」が「さよなら」に縮まったのと同様の変遷であるが、「すいません」はあくまで私的な雑談に限られた俗音であり、公の場や文字媒体で用いるべき正統性は一切持ち合わせていない。